「結婚、もう諦めた」と思った30代の僕が、婚活をやめる前にひとつだけ手放したもの
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夜中に布団の中で、「結婚 諦めた 男」と検索したことがあります。
正確に言うと、「男」と足すまでに、少し迷いました。諦めたことにする言い訳がほしかったのか、それとも「まだ諦めなくていい」と誰かに言ってほしかったのか、自分でもよくわからないまま、親指で打っていました。
その日、また一件、アプリで連絡が途切れていました。何人目かも数えなくなっていて、いいねを送るのも、返信を待つのも、正直もう面倒でした。「この年で今さら頑張って、それで報われなかったら、いよいよ惨めだな」と思って、そっとアプリを閉じました。
この記事は、「諦めるな、頑張れば必ず結婚できる」みたいな話ではありません。逆に「諦めていい」と背中を押す話でもない。一度は「もういいや」と手を離しかけた僕が、何にそこまで疲れていて、結局、何を手放したら少しだけ楽になったのか。当事者の目線で、そのまま書きます。
① 「結婚を諦めた」の正体は、疲れて手を離しただけかもしれない
最初に、これだけは言わせてください。結婚を諦めたくなるのは、あなたに魅力がないからでも、努力が足りないからでもありません。
いま、恋愛や結婚を「もういいかな」と感じる人は、はっきり増えています。調べてみると、交際相手を特に求めていない独身男性が、以前よりずっと多くなっている、というデータもありました。諦めたくなっているのは、あなただけじゃないんです。同じ夜に、同じ検索窓の前で、同じ顔をしている人が大勢います。
ただ、僕がその夜、布団の中で感じていたその「諦め」を、あとから分けてみると、2種類あった気がします。
ひとつは、本当に「一人で生きていく」と腹を決めた諦め。これは、それはそれで立派な選択です。もうひとつは、疲れて、いったん手を離しただけの諦め。「もう無理」と言いながら、まだこうして検索している。僕のは、完全に後者でした。
いや、もう諦めましたよ。頑張るの、疲れたんです。……でも、こうやって調べてる時点で、諦めきれてないのかもしれない。
わかります。僕もそうでした。口では「もういい」と言いながら、夜中に検索してた。それって、諦めたんじゃなくて、疲れて一回しゃがんでるだけなのかもしれないんですよね。
念のため書いておくと、これは「自分に結婚できる気がしない」という自信の話とも、「もう手遅れかも」という焦りの話とも、少しだけ違います。それらの、もう一歩先。不安を通り越して、静かに手を離しかけている段階の話です(気になるほうがあれば、最後にリンクを置いておきます)。
② 僕も、一度は「もういいや」とアプリを消した
いい相手に出会えるまでの一番きつかった時期、僕はスマホからマッチングアプリを一度、消しています。
きっかけは、たいした事件じゃありません。いい感じにやりとりしていた相手から、ある日ぱたっと返信が来なくなって、それだけでした。ただ、そういうのが何回も続いたあとだったんです。ホーム画面のアプリのアイコンを長押しして、震えるアイコンの左上のバツを、しばらく押せずにいました。
消したその夜は、少しだけほっとしました。もう、いいねの数を気にしなくていい。返信を待たなくていい。でも三日もすると、「じゃあ僕は、この先どうするんだろう」という別の重さが、静かに降りてきました。
諦めたはずなのに、ぜんぜん晴れやかじゃないんですよ。むしろ、諦めたことにした自分に、いちばんがっかりしていました。
結局、一週間くらいでまたアプリを入れ直すんですが、そのときの僕は、前と同じやり方に戻っただけでした。だから、また同じところで疲れる。この繰り返しを何度かして、ようやく「疲れてるのは、婚活そのものじゃなくて、僕のやり方のほうかもしれない」と思い始めました。
③ なぜ、こんなに「諦めたくなる」のか
あとから振り返ると、諦めたくなる気持ちには、原因が3つあったと思います。
1つ目は、理想を握りしめすぎていたこと。年収も、見た目も、性格も、全部そこそこ以上を求めて、そのくせ自分は棚に上げていました。逆に、相手から自分の年収や条件を値踏みされている気がする瞬間もあって、「低収入の自分なんて」と勝手に降りたくなる。理想が高いのに自信はない。この組み合わせが、いちばん人を諦めに追い込むんだと思います。
2つ目は、数を打って、断られ続けたこと。マッチしては消え、会っては続かず、を繰り返すうちに、一件一件のダメージは小さくても、確実に心がすり減っていました。断られることそのものより、「またか」と慣れていく自分のほうが、少し怖かったです。
3つ目が、時間の焦りです。30代も後半に差しかかると、「この年で今さら」という声が、頭の中で勝手に大きくなります。35歳、40代と歳を重ねるごとに、婚活の場でも自分の価値が下がっていく気がして、それなら傷つく前に自分から降りたほうが楽だ、と思ってしまう。諦めは、時々、予防線なんですよね。
3つとも、全部あります。特に、傷つく前に降りたい、っていうの。
それ、すごくわかります。でも僕の場合、降りても全然楽にならなかったんです。だから、降りる代わりに、ひとつだけ手放してみることにしました。
④ 諦める前に、ひとつだけ手放してみた
結婚を諦める前に、僕が手放したのは——「理想の相手」のほうでした。
正確には、理想を全部捨てたわけじゃありません。握りしめていた条件を、ひとつだけ、指をゆるめてみた、という感じです。僕の場合は、アプリの検索条件でした。相手に求める枠を、自分でうんと狭く設定していたんです。深い理由はなくて、なんとなく「そのほうがちゃんとしてる」と思い込んでいただけ。その枠を、少しだけ広げてみました。
たったそれだけで、それまで検索結果に出てこなかった人たちが、急に見えるようになりました。落ち着いて話せる人、無理に張り合わなくていい人。「こういう人と、普通に会えばよかったのか」と、拍子抜けするくらいでした。
諦めるべきだったのは、結婚そのものじゃなかったんです。結婚に向かうときに握りしめていた、「こうじゃなきゃダメ」のほうでした。それを手放した瞬間に、諦めかけていたものが、もう一度、手の届く場所に戻ってきた感覚がありました。
⑤ 「たくさんの中から選ぶ」より「落ち着いて向き合える」場所に変えた
理想をひとつ手放してから、僕はもうひとつ、変えたことがあります。婚活する場所そのものを、見直しました。
諦めたくなる婚活って、たいてい「終わりのない選別」で消耗しているんです。大量の相手の中から、スワイプして、比べて、また比べて。その物量の中にいると、相手も自分も「たくさんの候補のひとり」でしかなくなって、疲れて当然でした。
だから僕は、「たくさんの人とすぐ会える」場所から、「落ち着いて向き合える人が多い」場所に移すことにしました。その意味で合っていたのが、マリッシュでした。男性の料金が月3千円ほどで、そもそも財布への負担が軽い。それ以上に、再婚の人や、僕みたいに遠回りしてきた落ち着いた層が多くて、スペックを張り合う派手な空気が、あまりなかったんです。
そこで会えたのは、条件で値踏みし合う相手ではなくて、身の丈で普通に話せる人たちでした。僕の場合、5ヶ月ほどの間にマッチしたのは25人くらい、実際に会えたのは6人。多いとは言えない数字ですが、一件ずつが「選別」じゃなくて「対話」になった感覚があって、その頃には、もう諦めるという言葉を検索しなくなっていました。
マリッシュを実際に30代男が使った感想は、こちらに詳しくまとめています。
→ マリッシュを30代男が使った正直レビュー
諦めかけていた僕が、もう一度婚活に戻れたのは、根性を出したからじゃなくて、握りしめていた理想と、消耗する場所を、ひとつずつ手放したからでした。
⑥ 今夜「もういいか」と思っているあなたへ
今夜、「結婚、もう諦めようかな」と検索窓の前にいるなら、これだけ持って帰ってください。諦めなくていい、と無責任には言いません。でも、もし諦めるなら、手放すのは「結婚」じゃなくて、握りしめている「理想のほう」だけでいいかもしれない。それだけで、景色が変わることが、本当にあります。
もう頑張るのに疲れて、婚活そのものがしんどい、というところまで来ているなら、いったん立ち止まる話は、こちらのほうが近いかもしれません。
→ マッチングアプリに疲れた30代男へ / 婚活がしんどい・やめたいと思ったときに
「自分なんかが結婚できる気がしない」「もう手遅れなんじゃないか」という気持ちのほうが強いなら、その入口はこちらに書いています。
→ 結婚できる気がしない30代男へ / モテない自分に、もう諦めがついた気がする夜に
諦めるのは、いつでもできます。だからせめて、握りしめているものを一度ゆるめてみてから決めても、遅くはないと思うんです。順番を間違えていただけだったと気づくのに、僕はずいぶんかかりました。
Q. 30代や40代で結婚を諦めるのは、早いですか?
早いか遅いかは、正直、人それぞれです。恋愛や結婚を望まない生き方も、いまはまったく珍しくありません。ただ、当事者の実感として言えるのは、「疲れて降りたくなっているだけ」のときに決めてしまうのは、もったいない、ということです。疲れているときの判断は、たいてい後ろ向きに寄ります。諦めるかどうかは、一度しっかり休んで、気持ちが戻ってから決めても遅くないと思います。僕も、いちばん疲れていた時期の「もういい」は、あてになりませんでした。
Q. 低収入・低スペックだと、結婚は無理ですか?
無理ではありません。ただ、正直に言うと、条件で値踏みされやすい場所で戦い続けると、そう思い込みやすくなります。僕自身、大量の相手とスペックを比べ合うような場所にいた頃は、「自分なんて」と何度も思いました。落ち着いた層が多い場所に移して、身の丈で向き合える人と話すようになってから、その思い込みはだいぶ薄れました。無理かどうかは、あなたの価値というより、どこで誰と会っているかの問題が大きい気がします。
Q. 一度婚活をやめて、また再開してもいいですか?
もちろんです。むしろ、疲れたら一回休むのは、立派な戦略だと思います。僕もアプリを一度消して、一週間後に入れ直しました。大事なのは、戻ってきたときに「前と同じやり方」に戻らないことだけです。同じことを繰り返せば、同じところで疲れます。休んでいる間に、握りしめている理想をひとつ見直しておくと、戻ったときに出会える相手が変わってきます。

