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十二月二十四日の夜。テレビの音だけが部屋にある。

画面の向こうでは誰かが笑っていて、こっちは明日も明後日も、何も入っていない。年末年始がひとりで寂しいというのは、たぶんこの状態のことです。

僕も、独身のまま年末年始を何度か越しています。

ただ、当時は気づいていませんでした。この二週間は、一年でいちばん「誰も自分を見ていない」期間でもある、ということに。

① 年末年始がしんどいのは、寂しいからだけじゃない

年末年始やクリスマスがきついとき、中身は二つに分かれます。

一つは、そのままの寂しさ。誰とも話さない日が続く、という単純な話です。

もう一つは、こっちのほうが重い。止まっているのが自分だけに見える、という感覚です。周りは家族と過ごしていて、同僚は家に帰っていて、SNSには誰かの誰かが流れてくる。その横で、自分の一年は何も動かないまま終わろうとしている。

前者は時間が過ぎれば薄まります。後者は、休みが明けてもそのまま残ります。

そして僕の場合、この後者を抱えたまま何もしなかった期間が、約1週間ありました。あとで書きます。

これは年末年始に限った話ではありません。季節に関係なく夜だけが重くなるとき

帰る家がある人には、同じ時期に別の重さが来ます。帰る場所があるほうの年末年始

② この二週間だけ、誰も自分を見ていない

三十代で婚活を始めるとき、いちばん邪魔になるのは費用でも時間でもありません。

当時の僕は、アプリも相談所も、周りには一つも話していませんでした。

職場で気づかれる。飲みの席で話題が回ってくる。始める前から、その場面のほうを先に想像してしまう。

年末年始は、そこが全部止まります。

会社は閉まっていて、飲み会もなく、周りは自分の家族のことで手一杯です。誰も、こっちが何をしているかを見ていない。

つまりこの二週間は、始めるところを誰にも見られずに済む、一年で唯一の期間です。寂しさの側から見ると最悪の時期ですが、動き出す側から見ると、条件だけはそろっています。

あなた

でも、こんな時期に動いてる人なんて、逆に浮きませんか。

ハル

その「浮く」を誰が見ているか、なんですよね。僕がページを開いたり閉じたりしていたのも、家の中だけの話でした。

③ 僕は、予約ページの前で一週間止まっていた

当時の僕は、平日の夜十時半ごろ、リビングのソファでスマホを触っていました。仕事、ご飯、風呂、ソファ。その日も新しく入ってきた人を見て、いいねを送って、それで終わり。

スマホを置いたとき、口から出たのはこれでした。

「俺、このまま何年同じことを続けるんだろう」

結婚相談所のことは、頭にはあったんです。ただ、三つの理由で近づけずにいました。

  • 最後の手段だと思っていた
  • 本当に結婚できない人が行く場所だと思っていた
  • 何十万円も払って営業される場所だと思っていた

この三つを抱えたまま、予約ページだけは何度も開いていました。

④ 名前を入力して閉じる。料金を見て閉じる。口コミを読んで閉じる。

やっていたのは、その三つだけです。

予約ページを開いて、そのたびに「やっぱりまだいいか」と思って戻る。

これを約1週間、繰り返しました。

一週間というのは、決めるには長すぎて、忘れるには短すぎる長さです。毎日少しずつ調べているので、進んでいる気にはなる。でも実際には、一ミリも動いていません。

あなた

それ、今の僕です。ブックマークだけが増えていきます。

ハル

調べる量が足りないんじゃないんですよね。調べれば調べるほど、閉じる理由のほうが増えていくので。

⑤ 連休が長いほど、止まっている時間も長くなる

普段なら、この「開いては閉じる」は仕事に中断されます。朝になれば出社して、考えている暇がなくなる。良くも悪くも、そこで一回切れる。

連休には、その中断がありません。

時間ができる、というより、同じことを考え続ける時間が伸びる。だから年末年始は、動き出しやすい時期であると同時に、いちばん長く同じ場所に留まれてしまう時期でもあります。

ひとつ正直に書いておくと、僕のあの一週間は、連休中の出来事ではありません。平日を挟んでいたので、朝になれば一度は中断が入っていました。それでも一週間かかっています。中断が入らない連休なら、もっと長く同じ場所にいられたはずです。

「年内に決めないと手遅れになる」という話ではありません。婚活にそんな締め切りはないですし、焦って決めたものは、だいたい後で戻ります。

問題は締め切りではなく、何も決めないまま二週間が終わると、休み明けに残るのが「調べた記憶」だけになることのほうです。

⑥ 閉じる以外の操作を、ひとつだけ決めておく

僕が最終的にやったのは、決断ではありませんでした。

「入会するかどうか」を決めるのをやめて、「閉じる以外に何をするか」だけを一つ決めたんです。

やったのは、無料の相談を一件だけ予約すること。入るかどうかは、そこで話を聞いてから考えればいい。そう置き換えた瞬間に、一週間止まっていた指が動きました。

押した直後に浮かんだのは、この一言です。

「これでダメなら、本当に諦めもつく」

身構えていた営業トークは、来ませんでした。今日中に契約してくださいとも、今だけ割引ですとも言われない。代わりに、これまでの婚活のことを一時間以上聞かれて、それで終わりです。

思っていた相談所と全然違ったな、というのが、そのときの実感でした。僕が一週間かけて避けていたのは、実際には起きなかった場面のほうです。

相談所に向いていたのは、こういうところでした。相手は最初から全員が結婚を前提にしていて、独身証明書や収入証明書も出ている。会う前から話の方向がそろっているので、確かめるための回数が減ります。

僕が使ったのは、費用が抑えめで、担当がつくタイプのところでした。

⑦ 休みが明けたときに、何が残っているか

年末年始が終わって仕事が始まると、この二週間のことは、驚くほど早く流れていきます。

残るのは、二つのうちどちらかです。調べただけの記憶か、一件だけ入れた予定か。

どちらでも、翌週の自分の生活はほとんど変わりません。変わるのは、次に同じ時期が来たときに、開くページが同じかどうかだけです。

僕は、その一件を入れた側でした。そこから結婚が決まるまでには、まだかなりの時間がかかっています。婚活全体では四〜五年、会った人数は三十人から四十人くらい。決して短くはありません。

ただ、あの一週間だけは、何も生まないまま過ぎました。

まとめ

年末年始やクリスマスをひとりで過ごすのがつらいのは、寂しさだけが理由ではありません。自分の一年だけが、どこにも進まないまま終わるように見えるからです。

そして同じ二週間は、会社も周りも止まっているぶん、最初の一手を誰の目にも入らないまま済ませられる時期でもあります。

やることは、入会を決めることではありません。閉じる以外の操作を、一つだけ決めておくことです。

  • つらさの中身は〔寂しさ〕と〔一年が動かないまま終わる感覚〕の二つに分かれる
  • 連休は、時間が増えるのではなく、中断が入らなくなる
  • 僕は予約ページを開いては閉じるのを約1週間続けた
  • 動いたのは「入会するか」をやめて「閉じる以外に何をするか」を一つ決めたとき

よくある質問

年末年始に動いても、相手も休んでいるのではないですか。

相談所の場合、動き出しから実際に会うまでには、どのみち少し間があります。休みのうちに済ませておけるのは、申し込みと相談の予約までで、そこから先は年明けに動くことになります。逆に言えば、いちばん人目を気にする最初の一手だけを、休みのうちに片づけられるということです。

この時期に始めるのは、焦っているように見えませんか。

見えません、と言い切りたいところですが、正直に言うと僕も同じことを気にしていました。ただ、実際の相談で聞かれたのは、これまでの婚活のことと、何に困っているかでした。一時間以上、その話だけをしています。

無料相談だけ受けて、断るのは気まずくないですか。

僕も申し込む前は、そこで営業されて終わるものだと思い込んでいました。実際は、その日のうちに結論を出すよう求められることはなく、その場では決めずに終わっています。感じ方には差があると思うので、そこは自分の目で見て決めるのがいいはずです。

費用はどれくらいかかりますか。

僕は婚活全体では、何年かかけて総額で三十万円台を使っています。ただしこれはアプリも含めた全期間の合計で、相談所の料金そのものではありません。実際の金額は各社で違いますし、キャンペーンでも変わります。最新の数字は、相談のときに直接聞くのが早いです。