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夜、仕事もご飯も風呂も終えて、ベッドでアプリを開く。「新しい人、いるかな」と思って検索する。でも、昨日見た人。一昨日見た人。何日か前に見た人。スクロールしても、知っているプロフィールばかり。

田舎で出会いがない、というのはこういうことでした。相手がゼロなのではなく、探せる範囲を先に見終えてしまう。

30代で地方に住みながらアプリを使っていた当時、僕の夜もだいたいこれでした。この記事では、地方でアプリを使うと何が起きるのかと、最後に変えたことを書きます。3分で読めます。

① 「出会いがない」というより、探す相手がいなくなってきた

始めたばかりの頃は、検索画面を開くのが普通に楽しみでした。今日はどんな人がいるかな、と思いながらスマホを開く。新しいプロフィールが次から次へと出てきて、この人いいな、この人も話してみたいな、と眺めていられました。

それがしばらくすると、変わってきます。

写真を見て「あ、この人前にも見た」。自己紹介文を読んで「この人も見たことあるな」。さらにスクロールして「……またこの人か」。

検索条件を少し変えても、見覚えのあるプロフィールが増えていくだけでした。

「出会いがない」というより、自分から探しに行っているのに、探す相手のほうがいなくなってきた。あの感覚のほうが近かったです。

数字も出しておきます。当時のアプリは月3,000円ほどで、続けたのは5ヶ月。マッチは25人、そこから会うところまで進んだのが6人でした。少ないと思われるかもしれませんが、これは「頑張らなかった結果」ではありません。生活圏の中を探し尽くしたあとの数字です。

アプリって、全国どこでも同じように出会えるような感覚がありますよね。でも自分が実際に動ける範囲に絞ると、そうでもない。アプリを使っているのに、出会える範囲そのものが狭い。地方だと、ここでいったん詰まります。

② 条件を広げると、今度は「距離」が出てくる

詰まったとき、まずやるのは条件を広げることです。僕もそうしました。年齢の上限を一つ上げて、距離の設定を広げて、こだわっていたところをいくつか外す。そうやって設定を変えるたびに、一度は知らない顔が並びます。

そうすると、たしかに人数は増えます。増えるんですが、次の問題がすぐ出てきました。

「この人と、実際に会えるのかな?」

プロフィール上は良さそうでも、住んでいる場所を見ると距離がある。そうすると今度は、いいねを送るかどうかで迷いはじめる。

だから地方でアプリを使うなら、検索結果に出てくる人数だけでなく、実際に会える距離に何人いるかまで見たほうがいいと思います。当時の僕は、そこまで考えていませんでした。アプリなら出会える、と思って始めていたので。

③ いちばん損をしていたのは、申し込む前に降りていたこと

ここが、この記事でいちばん書きたかったところです。

あるとき、女性のプロフィールを見て「この人、いいな」と思ったことがありました。写真だけでなく自己紹介文もちゃんとしていて、趣味もそこそこ合う。文章の雰囲気も自分に合いそうでした。久しぶりに、会ってみたいなと思えたんです。

それで居住地を確認しました。地図を見て、「ここからだと結構あるな……」。

その瞬間、さっきまであった「会ってみたい」に、「でも遠いな」が混ざってしまった。そして、「今回はやめておこうかな」と、いいねを送らずに閉じました。

これが、僕にとっての「田舎だから不利かもしれない」と感じた瞬間です。

でも、今ふり返ると順序が違っていました。

相手から断られたわけじゃない。まだ何も始まっていないのに、「遠い」という理由だけで、自分から可能性を潰していたんです。

これは弱気だったという話ではないと思っています。距離を数えるタイミングが、早すぎただけでした。地方だから不利、というより、地方に住んでいる自分が、地方だからという理由で勝手に行動範囲を狭くしていた。そういう面が、たしかにありました。

あなた

でも、遠いと分かってるのにいいねを送るのも、無責任な気がして。

ハル

僕も同じことを考えていました。ただ、送った時点では、まだ会う話にすらなっていないんですよね。断る場面はもっと先にあるのに、その手前で自分が先に断っていた、というだけでした。

④ 行き帰りで3時間かかる日に、実際に起きること

もちろん、遠い相手に会いに行ったこともあります。近い人なら車で30分ほど。少し範囲を広げると1時間。遠いときは片道1時間半かかりました。県外まで出たこともあります。

前日の夜に服を決めて、「明日は遅刻できないな」と思いながら早めに寝る。当日はいつもより早く起きて、髪を整えて、服を選んで、車に乗る。ナビを見ると「到着まで1時間20分」と出ている。その表示を見て、「結構あるな……」と思うわけです。

高速を使って、知らない道を走って、予定より少し早く着く。近くのコンビニの駐車場で時間を潰しながら、ちゃんと話せるかな、写真と実物で印象が違ったらどうしよう、と考えている。

そして会って、1時間ほど話して、「今日はありがとうございました」となる。

車に戻って、「……終わった」と思う。帰り道の途中で、ふと考えます。俺、今日は行き帰りで何時間使ったんだろう、と。

交通費もかかります。ガソリン代も、高速代も。

ただ、これは相手が悪いという話ではまったくありません。相手も同じように時間を使って来てくれている。そこは、はっきり書いておきたいところです。

⑤ 田舎では「会ってから見極める」が回りにくい

何度かこれを繰り返して、気づいたことがあります。

アプリの基本的な進め方は、「とりあえず会ってみましょう」です。会ってみないと分からないことは実際に多いので、これ自体は正しい。都市部なら、仕事帰りに1時間だけ会う、ということもできます。1回の試行が軽いから、数をこなして見極められる。

でも地方だと、1回会うのに半日かかることがある。同じ「とりあえず会う」でも、消費するものがまるで違います。

つまり、会ってから見極めるという進め方は、1回のコストが低い場所でしか回らない。地方でアプリがしんどくなる本当の理由は、人数よりもここだったと思っています。

あなた

じゃあ、地方だとアプリは向いてないってことですか。

ハル

そうは思っていません。実際、僕もアプリで人に会えています。ただ、都市部の人と同じ使い方をすると消耗が早い、という自覚は必要でした。

⑥ 僕が変えたのは、「距離をいつ数えるか」だった

③で書いたとおり、当時の僕は、プロフィールを見た瞬間に距離を数えていました。会う前どころか、話す前です。

なので、こう変えました。

まず、話してみる。やり取りを続けてみる。そのうえで「この人には実際に会いたい」と思えるところまで進んだら、そこで初めて地図を開く。

会えるかどうかは、マッチングしてから考えればいい。そういう順序にしただけです。

これで移動時間が減るわけではありません。減るのは、送らなかったいいねのほうです。婚活は、最初から全部の条件をクリアできる相手を探そうとすると、可能性がどんどん減っていきます。距離は、その中でもいちばん早い段階で効いてしまう条件でした。

これはアプリを続けるつもりの人にも、そのまま使える話だと思います。

⑦ それでも足りなくて、「会う前にどこまで分かるか」を変えた

ただ、これだけでは足りませんでした。

行き帰りで3時間かけて会って、話してみたら結婚を考えている人ではなかった、ということが起きるからです。アプリだと、相手が恋人探しなのか結婚を考えているのか、最初の段階では分かりにくいことがあります。都市部ならもう一度会えばいい。こちらは、それが半日です。

地方だと、会うだけで片道1時間以上かかることがある。だったら、「この人は結婚を考えているのか」「自分と将来の方向性が近いのか」が、ある程度分かった状態で会えるほうが自分には合っている。

それで結婚相談所を使いました。エン婚活エージェントです。登録している全員が結婚を目的にしていて、会う前からその前提で話が進む。だから、1回の移動が無駄になりにくい。地方に住んでいても選択肢を広げられそうだ、というのが選んだ理由の一つでした。

正直に書くと、入る前は抵抗がありました。結婚相談所ってもっと堅苦しいんじゃないのか、自分みたいな普通の男が入っていいのかな、と思っていたんです。実際は想像よりずっと普通で、担当の人は一緒に作戦を考えましょうというスタンスでした。説教も、理想の否定もありませんでした。

あなた

地方だと、相談所自体が近くにないんですよね。

ハル

そこは僕も引っかかっていました。今は自宅で進められる形の相談所があるので、通う前提で考えなくて大丈夫です。

活動は6ヶ月ほどで、お見合いは8人程度。そのうちのひとりが、いまの妻です。

よくある質問

田舎でも、マッチングアプリは意味がありますか?

あります。僕自身、アプリで6人に会っています。ただし地方では「探し尽くすのが早い」という前提で使ったほうがいいと思います。僕の場合は5ヶ月ほどで見覚えのある人ばかりになりました。そうなったとき、それはあなたの使い方が悪いのではなく、範囲の問題です。⑥を先に試してみてください。

相手が遠いとき、どこまでなら会いに行くべきですか?

線は先に引かないほうがいい、というのが僕の答えです。当時の僕は、まさにそれをやっていました。地図を見た瞬間に「結構あるな」と思って、いいねを送らずに閉じる。何件そうしたかは、もう数えられません。距離は、実際に会う段になってから考えても遅くないです。ちなみに僕が動いたのは、近い人で30分、遠いときで片道1時間半でした。

地方だと、結婚相談所も近くにないのでは?

店舗へ通うタイプだとそうなります。ただ、自宅で活動を進められる形の相談所もあって、僕が使ったのもそちらでした。近くに店舗が無くても始められる形の選び方は、別に書いています。

車で1時間以上かけて会いに行くのは、普通ですか?

地方だと珍しくないと思います。僕の場合は、近い人で車30分、遠いときは片道1時間半で、県外まで出たこともありました。ただ、これを何度も続けると消耗します。だからこそ、会う前にどこまで分かっているかが効いてきました。

まとめ

条件を広げれば人数は戻ります。ただ、そこで今度は距離が出てくる。田舎で出会いがないという言葉の中身は、たいていこの二段階でした。

そして僕がやっていたのは、その手前で降りることでした。会ってみたいと思った相手に、いいねを送らないまま画面を閉じる。断られたわけでもないのに、自分で減らしていたわけです。

変えたのは2つだけです。距離を数えるのを、会いたいと思えたあとに回したこと。そして、移動が重いぶん、会う前に方向が分かっている相手と会うようにしたこと。

遠いのは、正直しんどいです。ただ、あのとき送らずに閉じた何人かのことは、今でもちょっと惜しかったなと思います。

アプリのままで行くか、相談所に移るかで迷っているなら。両方に金と時間を使って、どこで分かれたか

まだアプリで手が残っていると感じるなら、距離の前に試せることが2つあります。