マッチングアプリで人間不信の30代男へ。いい人まで弾いていた話
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マッチングアプリを続けていると、ある日ふと、相手のメッセージが全部うさんくさく見えてくる瞬間がある。「この『いいね』も社交辞令だろ」「どうせこの人も途中で消える」「やけに優しいのは、何か裏があるからだ」。誰のことも、最初から信じられなくなってる。
僕もそうでした。35歳すぎで結婚するまでに、既読スルーもフェードアウトも、会ってみたら話がぜんぜん違ったことも、数えきれないくらい食らった。そのたびに少しずつ人を疑うのが普通になっていって、気づいたら画面の向こうの全員が「敵か、時間の無駄か」のどっちかに見えていました。
先に言っておくと、それはあなたのメンタルが弱いからじゃありません。アプリって、構造的に人を不信にさせる場所なんです。会う前に理由も告げず切られる、下心の人も混じる、プロフィールも盛れる。それを何度もくぐれば、誰だって警戒モードになる。
この記事は「もっと人を信じよう」みたいなキレイな話じゃありません。疑うのをやめられないまま、それでも結婚まで行った僕が、その不信とどう折り合いをつけたか。優しいメッセージひとつ素直に受け取れないところまで来た人間が、そのまま書いただけのものです。
(うまくいかない時期ぜんぶの話は、こちらにまとめています → マッチングアプリがうまくいかないと感じる30代男へ)
① 「もう全員、信じられない」——僕も、そこにいた
まず、今のあなたの状態を、否定せずに置かせてください。
人間不信って、急になるものじゃなくて、小さい裏切りの積み重ねでじわじわ来るんですよね。いい感じだったのに消えられた。会ったら写真と別人だった。真剣そうな顔して、実は遊びだった。一回ずつは「まあ、あること」で流せても、十回二十回と続くと、心が勝手に学習する。「期待するな。どうせ裏がある」って。
優しくされても、「何か狙ってるんじゃ」ってまず疑っちゃうんです。自分でも、嫌になります。
それ、僕も全く同じでした。でもそれ、あなたが冷たい人間になったんじゃなくて、傷つかないように心が覚えた防御なんですよ。
疑い深くなった自分を、さらに責めなくて大丈夫です。それは何度も痛い目を見た人が身につける、まっとうな反応なので。やっかいなのは、その防御が効きすぎることのほうなんです。
② アプリが人を「不信」にさせるのは、あなたのせいじゃない
なんで自分だけこんなに疑り深くなったんだ、と思うかもしれません。でも、これはあなたの性格より、アプリという場所の構造の話です。
落ち着いて見ると、アプリは不信になる条件がそろってる。会う前に理由も告げず消えられる。プロフィールは年収も身長も自己申告で盛れる。真剣な人も、遊び目的の人も、同じ画面に並んでる。顔も声も分からない相手と、テキストだけで探り合う。こんな場所に長くいて、警戒心が育たないほうが、むしろ不自然なんですよね。
「自分は人を見る目がないんだ」って責めてたんですけど、違った。誰がやっても見抜けない設計なんですよ、あそこは。
だから、人間不信になったのは、あなたが弱いからでも、見る目がないからでもない。むしろ、毎回まじめに向き合おうとした人ほど、深く傷ついて不信になる。最初から適当に流してた人は、そもそも傷つかないので。
③ 「全員あやしい」フィルターは、いい人まで弾いてしまう
ただ、ここからが本題で、正直に言います。
不信って、自分を守るためのものなのに、いちばん損をするのも自分なんですよね。「どうせ裏がある」のフィルターを全員にかけると、本当に誠実な人が来たときも、同じように弾いてしまう。僕は実際、あとから「あの人、ちゃんとした人だったかもな」と思い当たることが何度もありました。疑いすぎて、自分から塩対応して、消していったご縁が。
言われてみると……疑ってる間に、こっちから冷たくして終わらせたこと、何回もある気がします。
そうなんですよ。不信のいちばんの問題は、悪い人を避けることより、いい人まで巻き添えで切っちゃうことなんです。
全員を疑うのは、たしかに一番ラクだし、一番安全です。でもその安全は「誰とも続かない」という代償とセットになってる。警戒モードを全開のままにしておくと、いちばん避けたかった『一人で終わる未来』のほうに、自分から進んでしまう。
④ 一人の裏切りを、「人類全体」に拡張しない
じゃあどうするか。「もっと人を信じよう」と気合いを入れる、ではないです。それができたら苦労しない。
僕がやったのは、もっと地味なことでした。裏切られたとき、それを「その一人」の話で止める。「この人は合わなかった」までは事実。でも「だから人間は信用できない」「だから女はみんな」まで広げると、それはもう事実じゃなくて、自分でかけた呪いなんですよね。
「一人にやられた」を「全人類アウト」に翻訳するクセだけは、意識してやめました。これだけで、だいぶ楽になった。
一人の嘘つきは、ただの一人の嘘つきです。次に来る人とは、まだ何も起きてない。前の人の罪を、まだ会ってもいない人に請求しない。相手のためというより、自分が次に進むための区切りでした。
それでも疑うのがしんどくて、気持ちが沈んでいくなら、無理に一人で抱えこまなくていいです。
→ マッチングアプリで病みそうなときの話 / 婚活に自信がない30代男へ
⑤ 信じられないなら、「疑わなくて済む土俵」に変えていい
ここまで考え方の話をしてきましたが、正直、考え方だけでどうにもならない時もあります。そういう時は、場所を変えるほうが早い。
何度も裏切られて僕が気づいたのは、「軽い場所ほど、疑わないと身を守れない」ということでした。気軽な出会いの場は、遊びの人も冷やかしも混じるぶん、警戒し続けないとやられる。それを根性で見抜き続けるより、そもそも下心の人が少ない場所に移れば、疑う必要そのものが減る。
結婚を本気で考えてる人が多い場所に移ったら、いちいち裏を勘ぐらなくてよくなって、人間不信がだいぶ和らいだんです。
僕の場合の転機は、真剣度の高い人が多いアプリに移ったことでした。お互い結婚を前提にしてると、嘘をつくメリットも遊ぶ理由もないから、変な探り合いが減る。疑わなくて済む相手とだけ会えるようになると、人を信じる感覚が、少しずつ戻ってきました。人間不信を治す近道は、心を入れ替えることより、疑わずに済む土俵を選ぶことだったなと思います。
⑥ 疑えるのは、ちゃんと傷ついた証拠
最後に、これだけは持って帰ってほしいんです。
人間不信になれるって、裏を返せば、それだけ本気で人と向き合おうとしてきた証拠なんですよね。どうでもいい相手になら、裏切られても傷つかない。あなたが疑り深くなったのは、毎回ちゃんと期待して、ちゃんとがっかりしてきたから。冷たい人間になったわけじゃないんです。
全員を疑わなくていい。裏切りは、その一人の話で止めていい。そして、疑い続けるのに疲れたら、疑わずに済む場所を選べばいい。それだけで、画面の向こうの人が、また少しずつ「敵」じゃなくなっていきます。
僕は一時期、本当に全員が信じられなくなって、それでもまた誰かに会いに行って、結婚しました。疑うのをやめられない夜があっても、あなたが人を信じられる日は、ちゃんとまた来ます。大丈夫です。
→ いい感じだった人に消えられて忘れられない話 / 既読スルーされて止まってる時の話
Q. マッチングアプリで人間不信になりました。治りますか?
和らぎます。人間不信は性格の欠陥ではなく、何度も傷ついた結果の防御反応です。「一人の裏切りを人全体に広げない」と意識すること、そして遊び目的の人が少ない真剣度の高い場所に移ることで、疑う必要そのものが減り、人を信じる感覚は少しずつ戻ってきます。
Q. 優しくされても裏があるんじゃと疑ってしまいます。
それは冷たくなったのではなく、傷つかないために心が覚えた防御です。ただ、その防御は誠実な人まで弾いてしまうのが難点。「この人は合わなかった」で止めて、「だから全員ダメ」まで広げないことを意識すると、いい縁を巻き添えにしにくくなります。
Q. アプリで人間不信になるのは、自分が弱いからですか?
違います。会う前に消える・プロフィールを盛れる・遊び目的が混じる、というアプリの構造上、まじめに向き合う人ほど深く傷つき、不信になりやすいです。あなたの弱さではなく、場所の設計の問題です。
Q. 人間不信のままでも、婚活を続けていいですか?
大丈夫です。無理に「人を信じよう」と頑張る必要はありません。むしろ、疑わなくて済む相手が多い場所を選ぶほうが現実的です。警戒し続けなくていい環境に身を置けば、信頼は後から自然に戻ってきます。

